長押(なげし)とは、和風建築において鴨居(かもい)の上や敷居の下などの側面に取り付けた柱と柱の間をつなぐ横材のことです。位置により地覆(じふく)長押・縁(えん)長押・内法(うちのり)長押・天井長押などがあり、普通には内法長押のことをいいます。もともとは構造材でしたが、貫(ぬき)の発達により、現在では装飾材へと変化しています。
大工さんは、昔からの名称や呼び名を踏襲していることが多く、構造材や部位の呼び名も一般の人たちは聞き慣れないものが多くあります。
※鴨居(かもい)……障子・襖(ふすま)などの建具をはめる開口部の上に渡す溝付きの横木。溝のないものは無目(むめ)鴨居、壁に取り付ける化粧材は付け鴨居と呼ぶ。