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「住まいの防火」~住まいの防火対策について~

命や財産が奪われる危険性のある、恐ろしい火災。まず自宅から出火することのないように、近隣で火災があっても被害が最小限でおさまるように、万全の備えをしておきたいものです。火災から私たちを「守ってくれる家」とは?防火のために住まいにできる対策とは何でしょうか?住まいの防火対策について考えてみましょう。

■建物の防火対策は地域によって
定められています。

「火災が発生しにくい」「安全に避難できる」「隣家からの延焼を防ぐ」という3つのことを重視して、建築物の防火についての法律が定められています。法律では家が建っている地域によって、家の構造に対する規制が異なっています。

<規制が厳しい順>
・防火地域(駅前の繁華街や幹線道路沿い)………耐火建築物あるいは準耐火建築物
・準防火地域(防火地域の外側の地域)……………準耐火建築物あるいは防火構造(性能)
・法22条地域(行政が指定する屋根不燃化地域)…準防火構造(性能)

*耐火建築物とは…火災で倒壊しない、延焼しない
火災が発生しても火災が終了するまで倒壊や延焼せずに耐えられる鉄筋コンクリート造りやれんが造りなどの建物のこと。主な構造部を防火構造とし、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に一定の遮炎(しゃえん)性能をもつ「防火設備」を設けた建物。

*準耐火建築物とは…火災を延焼させない
「延焼を防ぐ」ことを主な目的としている建物。各部位に耐火性能が求められ、延焼のおそれのある開口部には防火戸などの「防火設備」が必要。

*防火構造(防火性能)とは…周辺の火災から延焼しない
周辺で発生した火災による延焼を防ぐために、外壁や軒裏(のきうら)に防火対策を講じた建物。

防火対策が効果的な家の部分

■防火材料とは?

法律では次のように定められています。
・不燃材料(不燃性能持続時間20分)……コンクリート・れんが・モルタル・瓦・石・ガラス・鉄鋼・
                          アルミニウム・金属板・石膏ボード(厚さ12mm以上)など
・準不燃材料(不燃性能持続時間10分)…石膏ボード(厚さ9mm以上)
・難燃材料(不燃性能持続時間5分) ……石膏ボード(厚さ7mm以上)・難燃合板(厚さ7mm以上)

■遮炎性能とは?

建物の内側と外側の防火を想定して、扉や窓に設けられた性能をいいます。仕様としては「鉄骨枠の両面に鉄板を張った扉」や「鉄製戸に網入りガラスを入れた扉」、「スチールサッシに網入りガラスを入れた窓」などを指します。

■住宅性能表示の防火性能とは?

2階建までの戸建住宅については、主に感知警報装置の設置と、延焼のおそれのある開口や開口部以外の耐火性能についての評価を表します。等級4から1まであり、等級の数字が大きいほど安全性が高いことを表示します。例えば戸建住宅の等級3は、火災発生時にすべての台所と居室で早期に感知することができ、警報を発するための装置が設置されていて、開口部では火熱を遮る時間が60分相当以上、開口部以外では火熱を遮る時間が45分相当以上であることを表します。

■木造住宅は火災に弱いのでしょうか?

一般的に木造は火に弱いと考えがちですが、火事と同様の800℃以上の熱を加えた場合、鉄が急激に強度を失って変形するのに比べて、木材はまず表面が炭化し、その断熱効果によって木の内部にまで燃え進むのに時間がかかるため、15分が経過しても60%の強度を保ちます。しかも木材にある程度以上の厚みがあれば、燃えにくくなります。つまり結果的に木造住宅では、建物の構造体が残りやすく、倒壊しにくいと言えるでしょう。

火災が起きた時は、新建材から発生する有毒ガスにも注意が必要で、カーテンや壁、床、断熱材などに使用されている新建材の大半から有毒ガスが発生する危険性があります。建材などはできるだけ化学系の材料を避け、自然素材のものを多く使うことが大切です。